第4章 動力炉開発
§5 在来型導入炉の研究開発

3 圧力容器

 (社)日本鉄鋼協会では,圧力容器用鋼材の中性子照射の影響に関し,38年および39年の両年度にわたって,補助金により国産圧力容器用マンガン―モリブデン鋼(ASTMA302B鋼)の母材,溶接部および溶接熱影響部について,ベルギーの材料試験炉BR-2で照射を実施中であったが,41年度にこれらの照射試験を終了した。
 また,国産ニッケル―クローム―モリブデン高張力鋼(HY-80系,HY-100系)の照射試験が,40年度にひきつづき,BR-2で実施されている。
 運輸省船舶技術研究所(船研)では,原子炉容器用厚板の脆性破壊に関し,40年度にひきつづき,4,000トン・テストリグを用いて,ASTMA302B鋼およびHY-80鋼の焼入れ,焼戻し処理された母材の脆性破壊試験を実施している。
 圧力容器の製作に関しては,補助金により,民間企業において超厚板鋼の熱処理特性,加工性および溶接特性について,ASTMA302B鋼の試験が41年度に終了し,ひきつづきHY-80鋼,HY-100鋼の試験が行なわれている。
 また,原研の材料試験炉(JMTR)用圧力容器の設計,製作の一環として,13分の1モデルによる応力試験が,民間企業において行なわれた。


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