第3章 原子力発電

§5 関西電力(株)美浜発電所

 関電では,敦賀半島北端の西側原電敦賀発電所の近傍の福井県三方郡美浜町に原子力発電所を建設することとし,41年6月,内閣総理大臣に対し設置許可の申請を行なった。
 同発電所は,原電,東電が採用した沸騰水型炉と同じ軽水炉ではあるが,米国ウェスチングハウス(WH)社より輸入するものである。熱出力は約103万キロワット,電気出力は34万キロワットである。
 美浜発電所の敷地は,敦賀半島の西北端で,その海岸線が円生湾を形成する岬の尖端にあり,広さは約50万平方メートルで,その西半部は丘陵,東半部は平地となっている。
 同発電所の安全審査については,原子炉安全専門審査会において行なわれ,41年12月,その設置が内閣総理大臣により許可された。
 炉本体の輸入および建設の契約は,42年3月,WH社および三菱原子力工業(株)との間に調印された。
 なお,タービン発電機および格納容器は国産することになっている。
 総工事費は約298億円で,発電原価は初年度キロワット時あたり3円,20年平均で2円50銭と見こまれている。
 燃料装荷は45年3月,運転開始は同年10月の予定である。


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