第13章 原子力関係技術者の養成および原子力知識普及活動

§4 原子力知識普及活動

 原子力知識の普及は,科学技術週間および「原子力の日」の行事を中心として行なわれた。
 科学技術週間は,昭和41年4月17日から23日まで開催され, 原子力関係では,原研,原子燃料公社,放医研等の原子力関連施設が一般に公開されたほか,展示会,映画会等が各地で開催された。
 10月26日の第3回「原子力の日」には,東京科学技術館における原子力映画祭の開催,東京科学技術館ならびに東海村の日本原子力普及センター見学館の無料開放,原研における創立10周年記念行事,そのほか,各地の原子力関係機関,民間企業の協力のもとに,講演会,展示会,映画会等各種の行事が多彩に実施された。
 また,原子力産業会議を中心として関係各機関の協力により,40年度に設立された(財)日本原子力普及センターは,茨城県東海村に見学館および原子力館の建設をすすめていたが,見学館は41年4月,原子力館は42年3月に完成し,その業務を開始した。
 かねてから,原子力局および原研は,知識の普及活動の一環として,原子力委員会の監修のもとに,原子力平和利用に関する種々の映画を製作してきた。
 41年度には,「原子炉の安全」がつくられた。これを含め,わが国の主な原子力関係の映画は,付録IV-10に示すとおりである。
 最近,原子力知識の普及活動の一環として,関係各方面において原子力関係映画,スライド等の製作がさかんに行なわれるようになったことにかんがみ,原子力委員会は,これら映画等による原子力知識普及活動を一層促進するため,優秀な原子力映画等を推選するものとし,41年9月,「原子力映画等推選要領」を定めた。41年度には,(株)東京シネマの「原子力発電の夜明け」および(株)岩波映画の「東海発電所の建設記録」を推選した。
 また,原子力局は,中学校および高等学校の教職員を対象に,原子力について基礎的な知識の普及をはかる目的で,文部省の後援および都道府県教育委員会の協力をえて,「原子力セミナー」を開催してきた。41年度には,7月に松江で第11回を,8月に福井で第12回を,それぞれ開催した。受講者は両回合計270名であった。


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