第12章 国際協力
§1 国際原子力機関

1 第10会総会

 わが国は,原子力平和利用に関し,常に世界各国と密接な協力を行なうよう努力をはらい,とくに,国際原子力機関(IAEA)に対しては,創設以来,理事国として積極的に参加し,協力してきた。
 IAEAの第10回総会は,昭和41年9月,ウィーンで開催された。
 わが国代表は,総会一般演説において,IAEA保障措置が平和利用の確保にきわめて大きな貢献をしていること,わが国における特殊核物質の民有化の方針が定められたことと原子力発電の長期開発見とおしが想定されたことについて述ベるとともに,原子力開発利用の進展にともない,将来核燃料供給の保証が重要問題となるので,IAEAにおいて欧州原子力機関(ENEA)の行なったごとき,ウラン,トリウム資源の調査を一層拡大すること,将来高速増殖炉の開発にともなってプルトニウムの需要が増加するので,その需給について対処すベきことなどを提案した。
 また,総会において承認されたIAEA1967年度経常予算は949万1,500ドル,運営予算は240万8,000ドルであり,そのうち,わが国の経常費の分担金は22万8,433ドル,任意拠出金は4万9,800ドルである。


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