第11章 環境放射能対策

§3 米国原子力潜水艦の寄港

 米国原子力潜水艦は,41年4月から42年6月にかけて,佐世保港に4回,横須賀港に4回寄港した。
 これにともなう放射能調査は,前記の2港につき,3カ月ごとに定期調査(年間4回)を実施したほか寄港に際しては,入港前後,停泊中おび出港前後にそのつど臨時調査が実施された。
 定期調査については,佐世保,横須賀両港周辺において,海上保安庁が海水と海底土の試料を,水産庁の西海区および東海区水産研究所が海産生物の試料をそれぞれ採取し,全放射能を測定したのち,厚生省国立公衆衛生院および(社)分析化学研究所において,機器分析および化学分析を実施した。また,近海においては,水産庁の各海区水産研究所が海産生物の試料を採取し,分析担当機関において機器分析および化学分析が実施されている。
 臨時調査については,海上保安庁がモニタリングボートにより,原子力潜水艦寄港のつど,その入港前後,停泊中,出港前後に港内所定のコースおよび原子力潜水艦周辺における海水中および空間におけるガンマ線量の測定が行なわれた。
 佐世保,横須賀両市は,モニタリングポストおよびモニタリングポイントにより,海水中および空間線量の連続測定を実施し,環境放射能水準の監視につとめた。
 以上の調査の結果,米国原子力潜水艦の佐世保港および横須賀港への寄港にともなう両港の環境放射能水準は,寄港前と比較し,変化は認められなかった。なお,原子力潜水艦の佐世保港および横須賀港寄港時の測定結果は,付録IV-3に示すとおりである。


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