II 原子力委員会の計画および方針

8 食品照射専門部会の設置について

(原子力委員会は40年11月18日
食品照射専門部会の設置をのように決定した。)

1.設置理由
 国民所得の向上にともないわが国においても食生活は漸次改善されつつあるが,これに応ずる食品の供給体制の不備が指摘されている。なかんずく食品の輸送や貯蔵中の腐敗,虫害,発芽等による損失を防止して流通の安定化をはかることが強く望まれている。その対策の1つとしてすでに欧米諸国において実用化されつつある食品の放射線照射による保存性の向上をはかることが必要であり,わが国においても,食品照射に関する研究は大学,国公立試験研究機関,民間等各分野において行なわれているが,これらは必ずしも計画的に行なわれているとは云いがたい。したがってこのような現状に対処するため,食品の放射線照射に関する研究上の問題点である食品としての適性,照射技術,経済性等について総合的立場から研究体制を整備し計画的に研究の促進をはかる必要がある。
 このため,原子力委員会に食品照射専門部会を設置して食品照射に関する研究推進の大綱を定めるよう早急にその検討を行なう。

2.諮問事項
 食品照射研究の推進方策について

3.審議事項
(1) 研究推進上の問題点について
(2) 研究推進の具体策について

4.設置時期
 昭和40年11月18日

5.構成

6.担当原子力委員名

7.所管課
 原子力局アイソトープ課


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