第7章 国際協力
§3 欧州原子力機関および欧州原子力共同体との協力

 わが国は,39年4月の経済協力開発機構(OECD)への加盟にともない,40年2月にENEAに準加盟国として参加して以来,40年度を通じ,ENEAの諸活動に積極的に加わった。すなわち,科学協力および情報交換活動として,各種専門委員会,ワーキンググループに参加する一方,中性子データ編集センターおよび計算機プログラム,ライブラリの両共同事業が,わが国の原子力研究開発の効果的な推進に有用なものであることを認め,これに参加することとした。
 ユーラトムとの協力については,35年以来,話合いがすすめられている。
 とくに,37年から38年にかけて,原子力委員がユーラトムを訪問した際,日本-ユーラトムの協力関係について基本的考え方を提示し,協力の対象分野として,原子力船,基礎研究および保健物理をとりあげ,当面,情報交換と技術者交流をすすめたい旨表明した。その後,40年5月になって,ユーラトムは,炉物理を含む基礎研究,原子力船,放射線安全および放射線生物学等の協力分野について,具体的研究事項をあげてわが国の意向を照会してきた。このため,話合いは急速に進展し,現在, 41年7月ごろ合意に達することを目標に具体的な協力方法について交渉をすすめている。


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