第6章 環境放射能対策
§3 米国原子力潜水艦の寄港

 米国原子力潜水艦は,39年11月の第1回の佐世保港寄港以来,40年,41年にかけて(第6-2表)のとおり佐世保港および横須賀港に寄港した。
 これにともなう放射能調査は, 3カ月ごと(年4回)に行なう定期調査ならびに潜水艦の入港前後,停泊中および出港前後にその周辺で行なう臨時調査によって行なわれた。
 定期調査については佐世保,横須賀両港湾周辺において,海上保安庁水路部が海水と海底上の試料を,水産庁西海区および東海区水産研究所が海産生物の試料をそれぞれ採取し,全放射能を測定したのち,厚生省国立公衆衛生院および(社)分析化学研究所がそれぞれ機器分析および化学分析により核種の分析を実施した。また,わが国の近海においては,各地の水産庁水産研究所が海産生物の試料を採取し,上記と同様,分析担当機関が機器分析および化学分析を行なった。このほか,佐世保市,横須賀市および海上保安庁警備救難部により,佐世保,横須賀両港内における空間線量および海水中ガンマ線量の測定が行なわれた。

 臨時調査については,海上保安庁警備救難部がモニタリングボートにより潜水艦寄港のつど,その入港前後,停泊中,出港前後に港内所定のコースおよび潜水艦周辺における空間線量率および海水中ガンマ線線量率を測定した。また,寄港期間中は,モニタリングポスト(年間連続測定測定)における値を常時把握し,放射能水準の監視に努めた。
 以上の調査の結果,原子力潜水艦の佐世保港および横須賀港寄港に際しての環境放射能測定値は,寄港開始前とくらべ変化は認められなかった。
 なお,原子力潜水艦の佐世保港および横須賀港寄港時の測定結果は(付録IV-10)に示すとおりである。


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