第6章 環境放射能対策
§2 中共核実験による影響

 中共は,39年10月の第1回核実験にひきつづき,40年5月に第2回,41年5月に第3回の大気圏内核実験を行なった。これに対して,放射能対策本部は,前回と同様,わが国民の安全を確保する立場から放射能観測に万全を期することとし,防衛庁,気象庁,放医研における放射能観測を強化し,高空浮遊塵,雨水,落下塵等について放射能の調査を実施した。
 調査結果は,(付録IV-9)に示すとおりであり,その放射能水準は,放射能対策本部が37年に定めた放射能対策暫定指標の値にくらべ,とくに対策を必要とする程度ではなかった。その後降下率は漸次減少し,いずれの実験に際しても,約3週間後にはほぼ実験前の状態に復した。


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