第3章 核燃料

 核燃料問題は,動力炉の開発に関連し,きわめて重要なものである。原子力委員会は,昭和39年10月に発足した動力炉開発懇談会等を中心として,原子力発電の促進にあたっての核燃料の安定供給と効率的利用をはかるため,国内における核燃料サイクルの早期確立について種々検討を行なうとともにその実現に努めてきた。すなわち,核燃料の安定供給については,将来核物質を民有化する方針のもとに,濃縮ウランの供給確保をはかるため,日米原子力協力協定の改訂などについて検討をすすめ,一方,核原料物質開発促進臨時措置法の10年間延長を行なって国内資源の把握にひきつづき努力することとした。また,核燃料サイクルの早期確立については,第2章において述べた核燃料の国内加工技術開発の促進のほか,使用済燃料の再処理工場の建設・プルトニウム燃料の開発等の促進に努めてきた。


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