第2章 原子炉の開発利用
§5 材料試験炉,動力試験炉,研究炉および臨海実験装置

4 臨界実験装置

 材料試験炉(JMTR)を建設,運転するために必要な基礎データをえることを目的に建設されていた原研の材料試験臨界実験装置(JMTRC)は,40年10月,JRR-4の炉室内で臨界に達した。以後,JMTRの設計データをえるための各種実験に利用されている。なお,JMTRCは,41年7月に解体され,42年3月,茨城県東茨城郡大洗町のJMTR炉室内に移設される予定である。
 原研の高速炉臨海実験装置(FCA)は,40年9月,原子力委員会により設置にともなう安全性に問題はないことが認められ,42年度臨界を目標として,原研東海研究所内に建設されている。
 原研の軽水臨界実験装置(TCA)は,事業団との共同研究により,原子力第1船用炉心の設計値の確認および設計の改善に役立てるため,濃縮度2.7%および3.2%の燃料を用いて,各種実験に利用されている。
 住友臨界実験装置は,38年4月に設置が許可され41年8月,臨界を目標として茨城県那珂郡東海村に建設中である。
 このほか,原研の半均質臨界実験装置および水均質臨界実験装置,日立臨界実験装置ならびに日本原子力事業臨界実験装置は,39年度にひきつづき各種の試験研究に利用された。
 なお,国内の原子炉の設置状況は付録IV-2に示すとおりである。


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