§2 国内における養成訓練

1.日本原子力研究所における養成訓練

 日本原子力研究所は,原子炉研修所およびラジオアイソトープ研修所において原子力関係技術者の養成訓練を行なっている。

(1)原子炉研修所
 原子炉研修所は,一般課程,高級課程およびJRR-1短期訓練課程を設けて関係技術者の養成訓練を行なっている。
 一般課程は,定員32名,期間6箇月であり,大学卒業後2年以上を経た者を対象に原子炉関係の一般知識を習得させることを目的としている。39年度には,4月から第9回課程が,10月から第10回課程がひらかれた。受講者は第9回課程が27名,第10回課程が22名であり,課程開設以来の受講者合計は246名となった。
 高級課程は,定員15名,期間1年であり,大学卒業後5年以上の研究経験を持つ技術者および研究者を対象に,原子炉に関する高度の知識および技術を習得させることを目的としている。39年度には4月から第9回課程が,10月から第10回課程がひらかれた。受講者は第9回課程が3名,第10回課程が1名であり,課程開設以来の受講者合計は39名となった。
 JRR-1短期訓練課程は,定員15名,期間2週間であり,大学院修士課程に在学する学生を対象に原子炉の運転技術を習得させることを目的としている。39年度には,この課程は中止された。課程が開設されてからの受講者の合計は222名である。
 これらの課程の受講者の内訳は,付録IV-18に示すとおりである。

(2)ラジオアイソトープ研修所
 ラジオアイソトープ研修所は,基礎課程,高級課程および専門課程を設けてラジオアイソトープ取扱技術者の養成訓練を行なっている。
 基礎課程は,定員32名,期間4週間である。受講者の資格については,とくに制限はないが,大学教養課程の物理および化学を理解する程度の学力が必要とされている。39年度は合計6回の課程が開かれた。受講者は計192名であり,課程開設以来の受講者合計は1568名となった。うち,122名が外国人である。外国人受講者の国籍についてみると,中国(台湾)37名,韓国14名,インド12名,タイ10名などとなっている。
 高級課程は,定員15名,期間8週間である。受講資格は,基礎課程修了またはそれと同等以上の知識および経験を有することである。39年度は第10回課程が5月からひらかれた。受講者は16名であり,課程開設以来の受講者合計は99名となり,このうち4名が外国人である。外国人の国籍についてみると,中国2名,韓国2名となっている。
 専門課程は,定員45名,期間は10日ないし15日である。受講資格については,とくに制限がなく,ある程度の物理および化学を理解できることが必要とされるだけである。この課程は,密封線源コース,オートラジオグラフィー・コース,軟ベータアイソトープ・コースおよび放射化分析コースの種類に分けられている。39年度には,第4回課程(密封線源コース)が7月から,第5回課程(放射化分析コース)が40年1月から,第6回課程(オートラジオグラフィー・コース)が2月に,第7回課程(軟ベータアイソトープ・コース)が3月にひらかれた。受講者は計58名であり,課程開設以来の受講者合計は122名となった。
 これらの課程の受講者の内訳は,付録IV-19に示すとおりである。
 また,39年度について特筆すべきことは,東南アジアを中心とした11箇国から受講者15名を募集し,これに日本人5名を加えて,8月から12月までの18週間にわたり,基礎課程および高級課程を含めたEPTAコースをIAEA主催で行なったことである(EPTAコースについては 第7章§1の2参照)。EPTAコースの受講者の国籍は,付録IV-19-fに示すとおりである。


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