§2 国際原子力機関の保障措置

2.新保障措置制度の確立

 この動きは,現行保障措置制度を大型原子炉に拡大するとともに,その手続を再検討する決定にはじまったが,40年2月にいたり,新保障措置規則案が理事会において採択されたことで一応結実したといえる。
 すなわち,39年2月,拡大規則の決定とともに理事会は,現行制度の再検討のための委員会(委員長ランダース博士)の設置を決定し,39年5月に同委員会の第1回会合がウィーンで開催された。同委員会は,この会合において,各国から提出された意見をもとに改訂案を作成し,10月に第2回会合を開いてこの改訂案をもとに検討を行なった。
 わが国は,関係者からなる検討会を構成し,対処方針を策定し,参加代表を通じてその方針の徹底に努めた結果,わが国の意見は,おおむね取りいれられた。
 新規則案の特色は,つぎのとおりである。
@ 保障措置の適用が大型原子炉にも拡大されたこと
A 主として核物質(核燃料物質および核原料物質)に着目することによって適用対象を決める方式をとったこと
B 大型原子炉への適用拡大に関連して,原子力施設の運営上の経済性を阻害しないよう配慮することを原則としたこと
C IAEAの保障措置適用上の義務を詳細に定めたこと
D 査察員の職務上の行動を制限したこと
 とくに,わが国で問題とした常駐査察員制度については,わが国の主張もあって,今後必要と認める場合には,査察受入れ国との話合いによって決定してゆくことになった。
 この新規則案は,40年2月の理事会において,採択されたので,今後は,40年9月東京で開催される第9回総会において了承をえたうえで,理事会において正式に決定されることとなっている。


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