§1 国際原子力機関の活動

3.技術援助のための専門家の交流

 1964年度IAEA技術援助計画にもとづいて,専門家3名が,40年3月にあいついで来日した。これは,33年以来,IAEAが技術援助を目的として実施している事業の1つであり,わが国へは,36年以来,毎年2ないし3名の専門家が派遣されている。今回は,日本原子力研究所(原研)において,放射線物理学および線量測定の指導のために英国ハーウェル研究所主任研究員,原子燃料公社(原燃)の再処理プラントにおける廃棄物処理技術の指導を行なうためにフランス・からマルクール研究所プルトニウム処理工場研究課長,および放射線医学総合研究所(放医研)の電離放射線による細胞効果研究指導のためにフランスのラジウム研究所副所長の3人が来日した。一方,わが国からも,技術援助として38年度にひきつづきタイへ原子炉機器に関する指導のために専門家1名が派遣された。このように,わが国は,技術援助をうける国から与える国へと変わりつつあり,IAEAも,その活動のなかでわが国が重要な位置を占めることを期待する空気が年々強くなっている。


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