§2 中共核実験後およびソ連地下核実験後の放射能

 39年10月16日に中共が,その最初の核実験をタクラマカン砂漠ロプノール湖付近において大気圏内で実施したことが報ぜられ,その放射能のわが国への影響が心配された。しかし,実験規模は比較的小さなものであったことが報道され,放射能対策本部でとりまとめた放射能測定調査結果も,放射能対策暫定指標の値にくらべ,とくに対策を必要とするほどのものではなかった。放射性降下物の降下状況は,付録IV-9に示すとおり,実験2日後の10月18日ごろから,わが国においても放射性降下物が増加したが,10月26日,27日ごろには,ほほ実験前の状態にもどった。
 その後,40年1月15日にソ連が中央アジアの内陸部において地下核実験を行なった際,放射性物質が大気圏内に放出されたことが報ぜられた。放射能対策本部がとりまとめた放射能測定結果によると,数日後わが国の各地で放射性降下物の増加がみられたが,これも放射能対策暫定指標にくらべ,とくに対策を必要とするものではなかった。これらの数値は,付録IV-10に示すとおりである。


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