§3 原子炉の設置と運転にともなう安全対策

3.原子炉の設置許可および検査

 原子炉および臨界実験装置を設置し,または変更しようとする者は,原子炉等規制法にもとづき,内閣総理大臣の許可をうけなければならず,さらに建設の段階で設計工事方法の認可,施設および性能の検査をうけなければならない。
 そのほか,同法により,原子炉設置者は,保安規定の認可,毎年1回の原子炉の定期検査など一連の安全規制をうけており,39年度においてもひきつづきこれらの規制措置がとられた。なお,39年度末までに設置許可またはこれに類する設置の安全審査をうけたものは,(第5-1表)に示すとおり,原子炉11基,臨界実験装置7基,合計18基である。

 これらの原子炉のうち,39年度において,最大出力での性能検査に合格したものは,日本原子力研究所(原研)のJRR-2,JRR-3および動力試験炉(動力試験炉については通商産業省の竣工検査)ならびに京都大学原子炉実験所の研究炉があり,これらのものを含めた10基が定常運転にはいっている。また,原研のJRR-4および日本原子力発電株式会社東海発電所の発電炉は,それぞれ40年1月および5月に臨界になり,ひきつづき,性能検査(発電炉については通商産業省の検査)が実施されている。なお,三菱電機研究炉は,設置計画を中止した。
 臨界実験装置については,住友原子力工業臨界実験装置および原研の材料試験炉臨界実験装置が,それぞれ38年4月および39年6月に設置許可され,建設がすすめられている。
 また,科学技術庁水戸原子力事務所では,放射線監視車(モニタリングカー)により,東海地区の原子力施設周辺の放射線監視業務を行なっている。
 39年度における同地区の空間線量率,施設からの排水濃度などについての測定結果によれば,なんらの放射線異状も認められなかった。


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