§2 基準等の作成のための審議

2.放射性廃棄物の処理処分

 原子力委員会は,36年,放射性廃棄物を合理的に処分するための方策を検討することを目的として,廃棄物処理専門部会を設置した。同専門部会は,23回にわたり審議を行ない,その結果を報告書にまとめ,39年6月,原子力委員会に提出した。
 この報告書は,将来,わが国の原子力開発にともなって発生する相当量の放射性廃棄物の処理処分の基本的な考え方をきめたものであり,この基本的考え方はつぎのとおりである。
@ 原子力の利用の進展にともなって,発生する放射性廃棄物の処理処分については,人体に及ぼす影響が許容レベル以下でなければならない。ここで,人体に及ぼす影響とは,個人および集団に対する身体的および遺伝的影響をいう。
A 放射性廃棄物の処理処分にあたっては,ICRP勧告を十分に尊重するものとする。
B 放射性廃棄物の処理処分については,安全の確保とともに,経済性についても十分な配慮を払うものとする。
C 放射性廃棄物の海洋処分については,わが国における海洋利用の特殊性を十分に考慮するものとする。
D 放射性廃棄物の海洋処分については,国際的に密接な関係があるので,国際的見地からの配慮を十分に払うものとする。
E 放射性廃棄物の処理処分については,なお,未解決の分野が多いので,今後さらに研究開発を促進するものとする。
 原子力委員会は,この報告書を検討した結果,当面同報告書によって必要とされている放射性廃棄物の処理処分に関する研究開発の推進をはかりつつ,今後,原子力開発の進展に応じて所要の方策をたてることにした。


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