§2 医学利用

 医学面における放射線の利用は,基礎医学の研究のみならず,診断,治療など広範にわたっている。39年度における日本放射性同位元素協会からのラジオアイソトープ出荷件数についてみると,医学利用関係は,65%と最多数を占めている。

 科学技術庁放射線医学総合研究所は,放射線障害,遺伝学,環境衛生,放射線生物学などの諸分野にわたり研究を行なっており,同研究所の病院部では,放射線障害の診断,治療ならびに癌,腫瘍等の放射線による診断,治療を行なっている。39年度には養成訓練棟が完成し,従来の放射線防護短期課程および放射線利用医学短期課程のほか,あらたに放射性薬剤課程が開かれて,この方面における利用の普及に寄与することとなった。
 その他,国立試験研究機関,国立病院,大学の付属病院等においても,放射線を利用して診断,治療あるいは各種の研究が行なわれている。


目次へ          第4章 第3節へ