II 原子力委員会の計画および方針

8.アイソトープセンターの設置について

(原子力委員会は38年7月31日,アイソトープセンターの設置について次のとおり決定した。)

 原子力委員会は,かねてアイソトープ利用促進の重要性を考慮し,アイソトープの生産および頒布,関係技術者の養成訓練,廃棄物処理,開発試験研究ならびに各種サービス業務等を行ない,もって総合的にアイソトープの利用促進を図る機関としてアイソトープセンダーを設立する構想をたてた。当委員会は,この構想の実現を図るため日本原子力研究所,日本放射性同位元素協会および日本原子力産業会議との間の意見の調整に努め,また先般原子力局が実施したアイソトープ利用実態調査(工業関係)にあらわれた民間の要望を参考とするなど,その実現方策につき慎重に検討をすすめ,今日に至ったものである。
 その結果,下記によりアイソトープセンターの設置を図ることが適当と考える。


1 本センターは,昭和39年度に日本原子力研究所に設置する。

2 本センターは,生産部門,開発試験研究部門,技術普及部門,養成訓練部門,廃棄物処理部門ならびに事務および頒布部門をもって構成する。

3 本センターは,東京および茨城地区に主要事業部門を置く。

4 本センターの施設は,昭和41年度完成を目途として,昭和39年度より建設に着手する。

5 本センターにおいて生産されるアイソトープは,本センターが頒布を行なうものとし,日本放射性同位元素協会に売りわたすことを妨げないものとする。

6 本センターの組織および運営については,事業体としての機能を充分発揮せしめるよう配慮するものとする。

7 本センターの設立のため必要があれば,日本原子力研究所法の改正を考慮する。

8 日本放射性同位元素協会と緊密に連絡し,将来適当な時期にその業務の本センターへの統合を協議する。


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