1. 環境および食品等の放射能汚染について
放射能対策本部の昭和37年度における環境および食品等の放射能汚染状況について,発表の概略は,つぎのとおりである。
(1) 環 境
(a) 雨水の放射能
全国13箇所の気象庁観測所で測定している雨水および雪の全放射能の月間降下量は,つぎのとおりである。
(b) 地表付近の浮遊塵の放射能
全国5箇所の気象庁観測所で測定している地表付近の浮遊塵の全放射能は,つぎのとおりである。
(c) 高空浮遊塵の全放射能
防衛庁技術研究本部で行なっている10~12kmの高空における浮遊塵の全放射能の旬間平均値は,第V-1図のとおりである。
(d) 90Srの月間降下量
気象研究所が,東京で雨水および落下塵中に含まれている90Srについて分析した結果は,第V-2図のとおりである。
(e) 空間線量
放射性降下物による空間線量について,理化学研究所が東京で行なった測定結果は,第V-3図のとおりである。
(2) 食 品
(a) 日常食中の90Sr
国立栄養研究所が,37年5~6月および10~11月に各地から集めた日常食中の90Srを分析した結果を示すとつぎのとおりである。
11月の日常中に含まれる90Srは6月の値と比べて,成人食,幼児食の値とも増加している。
また地域別に見ると6月の場合と同様に11月の値も,表日本と比べて裏日本で高い値が出ている。
(b) 野菜中の90Sr
全国谷地方衛生研究所で採集したこ野菜中の90Srについて,分析化学研究所で分析した結果は,第V-4図のとおりである。
(c) 野菜(葉菜)中の181I
東京市販の葉菜中の181Iについて国立公衆衛生院で行なった分析の結果は,第V-5図のとおりである。
(d) 牛乳中の90Sr
全国各地の地方衛生研究所で採集した市販牛乳中の90Srについて(社)分析化学研究所で分析した結果は,第V-6図のとおりである。
(e) 牛乳中の131I
東京市販の牛乳について国立公衆衛生院で行なった131Iの分析結果は,第V-7図のとおりである。
(f) 灯台天水中の90Sr
全国各地の14箇所の灯台で採取した飲料用天水について,国立衛生試験所で行なった90Srの分析結果の平均値は,つぎのとおりである。
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