第9章 科学技術者の養成および原子力知識普及活動

§4 原子力知識の普及向上活動

 科学技術庁原子力局では,36年度から広く一般を対象に,正しい原子力知識の普及向上のため,諸種の啓蒙活動をお こなってきた。
 これまで,原子力利用を解説した映画を原子力委員会の監修によって製作してきたが,37年度には,「原子力と医学」を製作した。なお,36年度製作の「原子力と農業」が,38年の科学技術振興財団と教育映画製作者連盟共催の科学技術映画祭で,優秀映画に選ばれた。
 一方,地方の中学校および高等学校の教師を対象に,原子力についての基礎的知識の向上をはかる目的で,37年4月に熊本市で第3回原子力セミナーが開催され,同年10月には金沢市で第4回原子力セミナーが開催された。受講者は両方で約300名で,今後もさらに内容の充実をはかり開催される予定である。
 政府が設けた38年4月15日から21日までの科学技術週間中,18日を原子力デーとし,原子力開発の現状を知らせ一般の理解を深めるため,日本原子力研究所東海研究所,原子燃料公社東海製錬所,同公社人形峠出張所,放射線医学総合研究所,東京都立アイソトープ総合研究所および大阪府立放射線中央研究所の施設が公開された。また,この日には閣僚夫人等の東海村原子力施設の見学会が行なわれた。このほか,この週間中には日本原子力産業会議をはじめ,民間各機関によって街頭での普及活動,講演会の開催等諸種の協賛行事を催した。


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