第6章 放射線安全

§3 核燃料物質の取扱いにともなう放射線安全

 核燃料物質(天然ウランの場合300グラム以上)を使用しようとする者は,内閣総理大臣の許可を受けなければなら ない。同物質の使用は,原子炉の設置,燃料技術の開発にともない年々増加し,その使用事業所数は,第6-3表)に示すとおり37年度末で56件となった。

 これらを,機関別にみると,つぎのとおりである。
   研究機関  8件(14%)
   教育機関  15件(27%)
   工業部門  33件(59%)
     計    56件(100%)
 これら核燃料物質の使用施設等については,同物質の安全な取扱を確保するため,使用状況等について立入検査を行なっており,37年度には23の使用事業所を検査した。
 一方,1グラム以上のプルトニウムおよび100キュリー以上の使用済燃料の使用施設等については,原子炉等規制法にもとづいて施設検査を受け,これに合格し,さらに,保安規定を定め,この認可を受けた後でなければ,これを使用することができない。この種の施設のうち,100キュリー以上の使用済燃料を使用する施設としては,36年度末で,2件が許可されていた。37年度にいたり,わが国で最初のプルトニウム取扱施設として,日本原子力研究所にプルトニウム特別研究室が建設され,37年11月その使用が認められた。現在,総使用量4.3グラムのプルトニウムを,主として,溶液化学的研究に使用している。


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