第3章 研究炉
§3 臨界実験装置

2.水性均質臨界実験装置

 重水系二領域型均質炉に関する研究を行なうために計画されたこの臨界実験装置は,球形の溶液炉心と,これと同心球殻状のスラリーブランケットから成っており,燃料としては,硫酸ウラニル重水溶液を用いる。この装置の設置については,すでに34年に安全審査を終っており,その後のブランケットタンクに入れる反射材として重水を用いて実験をつづけてきたのであるが,当初からの計画にしたがって,今回あらたに酸化トリウム重水スラリーを反射材に用いることになり,37年6月にその安全性について原子力委員会の検討を終った。
 上記の変更により,従来最高熱出力10ワットであったものが,50ワットまで,増加することとなり,目下性能検査を実施中であるが,38年8月頃から本格的な実験に取りかかる予定である。


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