第8章 その他の研究開発
§2 原子炉材料

2−6 ニオブおよびその合金

 ニオブおよびその合金は,高温における強度と高温水に対する耐食性にすぐれているため,原子炉燃料の被覆材としてすぐれているので,35年から民間企業においてその製造法の研究が行なわれているが,ひきつづき各種金属を添加して良好な特性の合金を得る努力がつづけられている。すなわち,添加金属としてはチタン,ジルコニウム,クローム,バナジウム,モリブデン,タンタル,タングステン,鉄,ニッケル等をそれぞれ1,3,および7重量%添加した合金を同様の工程で製造し,これらの合金につき加工性,高温における硬度,高温水中における耐食性等の検討が行なわれた,その結果,加工性についてはタンタルを添加したものが,耐食性についてはチタンを添加したものが,また,高温における硬度についてはタンタル添加合金以外のすべてが600°C以上で純ニオブより高い硬度を示した。
 さらに36年度には,金属ニオブの製造を中間規模で行ない,原鉱石コロンバイトから金属ニオブを精練する各工程の条件,収率,品質等について民間企業において検討がすすめられた。


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