第8章 その他の研究開発
§1 原子力船

1−2 わが国の研究開発の状況

 わが国の原子力船の研究開発は,32年以来運輸技術研究所および日本原子力船研究協会等によって行なわれている。36年度には,運輸技術研究所において原子力船の安全対策の研究のほか,同研究所の水槽を利用した原子力船の波浪中における運動性能および船体強度に関する研究,原子力潜水船の推進および動安定性能に関する研究,ならびに原子力船の振動および動揺対策の研究を行なった。他方,日本原子力船研究協会では,政府の研究委託費を受けて原子力船における外力,すなわち航行中生ずる動揺や振動の影響に関する研究,沸騰水型および加圧水型原子炉を中心とした原子力船の設計研究,ならびに原子力船が衝突または坐礁した場合における外力の影響およびその対策についての研究が行なわれた,このほか原子力施設の遮蔽計算コード研究も前年度にひきつづき日本原子力船研究協会で行なわれた。他方,原子力研究所では,36年度から遮蔽研究用原子炉JRR-4の建設が開始されたが,この原子炉は原子力船における遮蔽問題を研究するために利用されることになっている。


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