第5章 放射線の利用

 わが国における放射線の利用は,アイソトープ,粒子加速器,原子炉等の線源を用いて,基礎研究,応用研究および実用の各方面にわたって目覚ましい発展を遂げたが,この放射線源としてはアイソトープが最も広く普及しており,しかもその大半が医学への利用である。
 しかし,現在このアイソトープは,ほとんど外国からの輸入によりまかなわれている。
 原子力研究所では,アイソトープの需要の増加にともない,その国内需要をまかなうための製造研究を続けているが,昭和39年度からJRR-3を利用して,アイソトープの本格的生産を行なうこととなり,そのための生産工場建設の準備段階として,36年3月に試験工場を完成し,若干の試験的生産を行なっている。


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