第3章 原子炉
§6 臨界未満実験装置

6−1 高速中性子炉ブランケット指数実験装置

 原子力研究所では,高速中性子増殖炉系の炉物理的研究のために,33年度にブランケット指数実験装置を完成していたが,36年5月末,速中性子コンバーター用濃縮ウランが到着したので,7月から本格的実験が開始された。実験はJRR-1熱中性子柱を用いて行なわれた。
 使用された天然ウランは2.3トン,速中性子コンバーターは濃縮ウラン2kgであり,放射化法,原子核乾板法,フィッションチェンバー法によって諸種のデータが求められた。
 これらのデータを解析した結果,この体系内の速中性子に関する一応の成果が得られたので,本実験装置を使用する実験は,36年度で打切られることとなり,37年度からは,バン・デ・グラーフを用いる高速中性子パルス実験等が行なれることとなった。なお,成果は,  「ブランケット指数実験工〜V」というテーマで発表された。


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