第10章 科学技術者の養成

§5 原子力知識の普及向上活動

 原子力局では,正しい原子力知識の普及向上をはかるために,36年度から諸種の活動をはじめた。
 まず,36年4月には,科学技術庁主催の科学技術週間中の一日(22日)を原子力デーと定めて,原子力研究所,燃料公社および放射線医学総合研究所の一般公開を実施するとともに,原子力産業会議と共催して東京で講演と映画の会を開催した。10月には,関東,関西一円の中学校および高等学校の教師を対象として「原子力セミナー」という名前の講習会を開催した。本セミナーには,合計400人の受講者があった。
 37年度にも,科学技術週間中の4月20日を原子力デーと定めて,この日を中心にして,原子力関係研究機関の一般公開,中高校生の東海村見学会,主婦連合会会員を対象とした放射線医学総合研究所見学会を実施した,原子力デーに関しては,原子力産業会議をはじめとして,民間側も諸種の催物を開催した。5月には,第3回の原子力セミナーを九州各県の中高校教師を対象として,熊本市で開催した。本セミナーには,100人程度の参加があった。
 なお,原子力知識の普及向上活動を,政府機関および民間企業が協力して効果的に行なうための連絡会が設けてある。本連絡会(原子力知識普及連絡会)は,35年11月に発足して以来,普及向上活動に関する企画の連絡,催物の協力等のために,毎月1回開催されている。参加メンバーは,次のとおりであり,事務局ば原子力局である。
 科学技術庁計画局   放射線医学総合研究所
  同 上 振興局   日本科学技術情報センター
  同 上 原子力局   原子燃料公社
 文部省大学学術局   日本原子力研究所
 通商産業省企業局   日本科学技術振興財団
   日本原子力産業会議


目次へ      付録 1−1原子力委員会へ