第10章 科学技術者の養成

§2 海外派遣

 29年度に,原子力関係の海外留学生派遣制度が開始されて以来,36年度までに,国際原子力機関のフェローシップを含めて,合計418人が海外に派遣された。その推移を示したものが第10-1図で,29年から33年までは急速に増加したが,その後は,ほとんど横ばい状態である。
 専攻別の内訳をみると,原子炉工学について学ぶために留学した者が,ほぼ半数の51%を占めており,所属別では,民間企業から派遣された者が49%を占めている。派遣先別をみると,米国をはじめとして,英国,カナダ,フランス等8ヵ国におよんでおり,中でも米国への派遣が過半数を占めている。派遣先の機関名と留学生数を示したものが第10-1表である。

36年度には,燃料公社,特殊法人を含む国公立機関から30人,民間企業から42人,合計72人が海外に派遣された。そのうちの4人(ほかに文部省関係3人)は,国際原子力機関のフェローシップによる者である。

 わが国から,国際原子力機関のフェローシップによる留学生が派遣されるようになったのは33年度からで,35年度までは,それぞれ3人,20人,23人にフェローシップが与えられた。フェローシップは,主として後進国に与えるという国際原子力機関の方針の強化によって,36年度には7人(内3人は文部省関係)にしか与えられなかった。
 29年度から36年度までの海外留学生(科学技術庁原子力局所掌分)の年度別,所属別,専攻別の内訳を付録5表に掲げる。
 一方,文部省の30年度以降の在外研究員の中から,原子力関係の在外研究員をひろってみると,第10-2表のとおりとなり,これに33年度以降の国際原子力機関のフェローシップによるものを加えると,36年度までに154人が海外に研究におもむいている。


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