第10章 科学技術者の養成

§1 概 況

 原子力関係の科学技術者の養成は,主として海外派遣,国内養成訓練機関の研修および大学の教育によって行なわれている。
 海外派遣は,昭和29年度に開始されて以来,8年間に約400人が派遣された。また文部省の在外研究員にも,原子力に関する者が,約150人をかぞえている。
 国内養成訓練機関に関しては,原子力研究所の原子炉研修所およびラジオアイソトープ研修所は,着実に研修業務を遂行しており,放射線医学総合研究所の養成訓練部も,医学短期課程の新設,国際防護課程の開講等成果をあげている。また,労働省の茨城総合職業訓練所では,原子力作業員の養成のために,37年度から原子力工業科を開設した。
 大学関係では,国立私立大学とも,原子炉の設置等諸設備の拡充にともなって,原子力関係講座の増設,専攻学科の新設を行なっている。
 なお,養成訓練と直接的な関連はないが,正しい原子力知識の普及向上をはかるために,原子力局では36年度から,教師,学生,生徒,婦人層および一般人を対象とした諸行事,催物を開催した。


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