2−8 ウラン濃縮
わが国におけるウラン濃縮に関する基礎的研究は32年以来理化学研究所で進められ,35年度は,前年度にひきつづき,ウラン製造方式のうちで理論的に濃縮のためエネルギー使用が最少と思われる遠心分離法について遠心分離機(径300mm,高さ1,200mm,毎分20,000廻転)を製作し,既設のものと直列に配置し,濃縮ガス処理量,消費電力等の関係を求めるとともに遠心分離機相互の関係,ガス輸送,ガス導入の問題等につき検討した。
原子力委員会の長期計画は将来の濃縮ウランの需要増大に備えて今後15年〜20年後その一部を国産化することを目標とし,ウラン濃縮事業をわが国で実施する場合は燃料公社に行なわせるとしている。
したがって燃料公社でも36年度からウラン濃縮に関して,遠心分離法の調査研究を行なうとともに,すでに基礎的研究に着手した国内諸機関と連けいし共同研究態形の確立をはかり,かつ海外の情報を収集し調査研究を行なうこととなった。
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