第9章 核燃料
§2 わが国の開発状況

2−3 精製錬

 ウラン精鉱の金属ウランへの精錬については,燃料公社をはじめとし,国立試験研究機関および民間企業で研究開発がすすめられてきた。
 燃料公社の精製錬中間試験工場は,金属ウラン生産30kg/日の規模で,製造されたウランは,わが国内の試験研究用として活用されている.その主なものとしては原子力研究所JRR-3の燃料として使用される4トンの金属ウランがある。
 燃料公社の金属ウランの生産はまだパイロットブラントの規模ではあるが,35年度の精製還元試験操業はエクサー法を中心に,各工程を主眼として実施し,特に工程の効率の向上,品質の安定,原単位の引下げに成果をあげる事ができた。
 一方,民間における上記方法以外のウラン精錬の研究もなかなか活発でそれぞれ一応の成果を得,工業化への基礎は固まったとみられる。


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