第6章 原子力発電
§2 わが国の原子力発電

2−2 東海発電所の建設状況

 日本原子力発電(株)の東海発電所に設置するコールダーホール型発電設備の建設は,34年12月14日に原子炉設置が許可され,ついで第1回の工事施行認可申請が36年3月28日付で認可されて以来,本格的に進められている。
 この建設のため日本原子力発電(株)は英国原子力公社と発電所建設全般についてのコンサルタントとしての技術援助契約を結ぶとともに,英国GEC社と発電所建設契約を結んだ。

 一方,英国GEC社は国産部品製造のため国内民間会社と技術提携を結ぶとともに,国内での仕事の円滑化をはかるため日本GEC社という子会社を日本に設立した,日本GEC社は国産部品の発注,原電への納入等を行なう。
 発電所の建設工事はまだはじまったばかりで,第6--2図に示す「東海発電所工事工程表」でわかるように,仮設備工事と土木工事がかなり進行している。その他の工事はまだ行なわれていない。以下各工事について述べる。
(1) 仮工事 工事はすべて原電の直営工事に属する。土木工事は立木伐採,整地,道路工事,原水取水工事等でほぼ完了している。工事に必要な変電所,配電等は完了している。部品倉庫,事務所等の仮建物は工程に合わせて建設している。
(2) 原子炉施設工事 原子炉圧力容器および蒸気発生器を国内で製作中である。
(3) 土木建築工事 原電分担の原子炉建物基礎工事は完了し,GEC担当分の工事はその準備工事はほぼ完了,一部では本工事のコンクリート打設がはじまった。冷却水設備については,堀削工事は完了し,沈砂池,放水口のケーソン工事もほぼ完了した。一部ではコンクリート打設をはじめた。
 発電所建設工事は現在のところ順調に進んでおり,39年中頃には営業運転にはいれる見込みである。


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