第5章 原子炉
§2 研究用原子炉

2−3 民間企業

 (株)日立製作所および東京芝浦電気(株)は政府から34および35年度原子力平和利用研究費補助金の交付を受けて,研究および教育訓練を目的とする炉の試作を行なうこととなった。
 (株)日立製作所が試作する原子炉はプール型,出力100kWで,35年4月原子力委員会から,内閣総理大臣あて安全性等について設置許可基準に合致するむね答申が行なわれ,政府により5月設置が許可された.建屋の建設は完了し,遮蔽コンクリート打ちが行なわれている.なお炉の臨界予定は,36年末となっている。
 東京芝浦電気(株)が試作する炉はプール型,出力常時30kW,最大100kWで,(株)日立製作所原子炉と同じく35年5月設置が許可され,建屋の建設はほぼ完成し,炉の基礎工事が行なわれている.なお炉の臨界予定は36年末となっている。
 つぎに,臨界実験装置については,(株)日立製作所が,濃縮ウラン-水系臨界実験装置の設置を計画している.また,35年度原子力平和利用研究費補助金の交付を受けて,三菱原子力工業(株)と富士電機製造(株)が,各種の炉心物理量を測定し,原子炉設計に必要なデータを得ることを目的として,それぞれ,軽水減速臨界末満実験装置,黒鉛減速臨界末満実験装置を建設することとなり,建設がすすめられている。


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