第15章 科学技術者

§5 国家試験

 原子力関係の国家による資格試験には,放射線取扱主任者国家試験と原子炉主任技術者国家試験とがある。
 前者は,放射線取扱主任者の資格を与えるもので,35年5月の障害防止法の改正により,この資格は国家試験合格者に限られることになり,取得される資格も第1種と第2種に分けられることとなった。35年11月改正後はじめての試験が東京と大阪で実施された。受験申込者数は,第1種が510人,第2種が462人,合計972人と今までの最高を示した。第1回から第5回までの受験申込者数,合格者数,合格率を(第15-8表)に掲げる。現在までの主任者数は,第1種が認定による351人を含めて1,114人,第2種が105人である。(第15-2図)はアイソトープ使用事業所数の推移と,放射線取扱主任者試験合格者の累積数とを比較したものである,使用事業数の増加と合格者の増加とがよく対応している。

 一方,原子炉主任技術者の国家試験は,36年3月第3回の筆記試験が行なわれ,88人の受験者があった。この試験は,筆記試験と口答試験に分かれ,主任技術者の資格をうるには両者に合格しなければならない。ただし筆記試験には試験資格の制限はないが,口答試験には,アルゴンヌやオークリッジなどの海外の原子力教育コースを卒業するか,原子炉運転経験6ヵ月以上の者,もしくは前述した原子力研究所原子炉研修所の一般課程を修了したものという制限がある。36年3月末日までに原子炉主任技術者の資格を取得した者は,認定による者を含め27人である。


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