第12章 放射能調査

§3 調査の結果

 35年度までの調査結果によると,核実験停止以来放射性物質の降下量は減少している。しかし90Srなど長寿命の有害なものの地表濃度は増加している。したがって,核実験による放射能の監視はもちろん将来の原子力の平和利用によって生ずるかもしれない汚染の基礎資料としても重要な核種の分析に重点をおいて調査を継続する必要がある。
 また,放射能の人体におよぼす影響については,いまだ不明な点が多く,わが国では放射線医学総合研究所などで研究しているが,その研究が進むにしたがい,この調査結果がますます利用されるものと思われる。


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