第10章 放射線の利用
§2 アイソトープ

2−3 使用状況

 アイソトープ使用事業所総数は,(第10-7表)のように36年3月末日現在で,867事業所で,使用事業所の機関別の内訳は,医療機関31.1%,民間企業30.4%,大学28.5%,研究機関,10.0%となっている.前年度に比較して,この比率はほとんど同じで使用事業所数は33年4月末の障害防止法の施行時に比較すると約2倍になっている。
 つぎに,日本放射性同位元素協会の34年度および35年度に行なったアイソトープの部門別出荷件数は(第10-8表)のように9,436件で,34年度の8,932件に比較すると,5.6%の増加で33年度(8,419件)にたいする34年度の増加も,約6%で,同じ傾向がみられる.また,35年度の部門別の出荷件数の比率は,34年度と大体同じで理工関係,農学その他の利用の比率がわずかに増加している。

 使用される核種の機関別の使用量をみると,病院関係が圧倒的に多い.この分野における使用量の多いアイソトープの主なものは32P,35S,60C0,13Iなどで,35年度には,60COの全輸入量55,300キュリーのうち,約26,000キュリーを,また32P,35S,131Iなどでもその大部分を使用している,最近では42K,51Cr,55Fe,64Cu,177Luなどの利用が増加している.また,民間企業や研究機関でも,最近照射利用のための60CO使用量の増加がみられる。


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