第3章 核 燃 料
§3 わが国のウラン需給

3−1 需 要

 わが国は原子力開的に着手してから日も浅いので,現在稼動している原子炉は,20%濃縮ウランの硫酸ウラニル水溶液を燃料とするJRR-1および35年10月1日臨界に達したJRR-2の2基のみである。そのほかJRR-3をはじめとして,現在建設計画が具体化しつつある原子炉は8基あるが,これらのうち,昭和39年完成予定のコールダーホール改良型原子炉以外は研究炉ないし試験炉であって,その燃料所要量は大きいものではない。また,研究炉,試験炉の大部分は濃縮ウランを燃料とし,天然ウランを燃料とするものはJRR-3とコールダーホール改良型発電炉の2基であり他の炉は濃縮ウランを燃料とするものである。これらの原子炉における燃料所要量は第3-2表のようになっている。
 したがってコールダーホール改良型炉が完成するまでは,原子炉のほか臨界実験装置,臨界未満実験装置等研究用の燃料を合わせても,年間ウラン需要量は濃縮ウラン数kg(U235分)から100kg強,天然ウラン数トンないし10数トン程度であって,コールダーホール改良型動力炉が完成しても,天然ウランの年間需要量はその初期装荷分(180トン)を除き,ウラン分にして100トン未満である。


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