第3章 核 燃 料

§1 概 況

 昭和29年以来着々と進められてきたわが国における核燃料の分野の活動は,34年度にいたり,従来の研究施設の整備期からようやく本格的研究開発の段階に入ってきた。すなわち工業技術院地質調査所の手で行なわれてきた3カ年計画の探鉱が33年度をもって一応計画された地域の調査を終え,34年度から堆積岩地帯の探鉱に重点を移行し,また,茨城県東海村に建設中であった燃料公社の製錬施設も33年末に完成して試験操業に入り,JRR-3(国産1号炉)用の天然ウラン・インゴット約4トンの生産を行なった。燃料体の加工に関しては,その物理的,冶金的研究等の基礎的な研究が原子力研究所の手で進められ,燃料体の製造技術の開発に関しては,主として民間企業によって行なわれてきた。とくに31年度以来,原子力研究所および民間企業において進められてきたJRR-3用の天然ウラン・アルミニウム被覆燃料要素の成型加工に関する研究は,基礎的研究の段階から試作研究の段階に入り,年度末には照射試験を実施する段階に達した。


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