第13章 科学者技術者の養成

§3 海外派遣

 29年度わが国はじめての原子力関係科学者技術者の海外派遣が行なわれて以来,その数は,(第13-1図)に示すように33年度までは急速に増加してきた。

 昭和34年度は,国際原子力機関のフエローシップを含めて77名が海外各機関に派遣された。当初は殆んどが政府関係機関の派遣者であったが,その後33年度,34年度には民間企業からの派遣者が過半数を占めるようになってきている。図から判るように海外派遣者数は33年度から横ばい状態にあるが,これは海外派遣者の需要数が停滞してきたうえに,海外留学に該当する科学者技術者の数が減少してきた結果と思われる。また国内における研修設備が整ってきたこともその一因であるといえよう。
 (第13-2図)には,昭和29年度以降34年度までに海外に派遣された科学者技術者数が専攻別所属別に示されている。これによれば原子力一般,核物理を含む原子炉工学が全体の53%を占めているが,わが国の原子力開発の第一段階においてこれらの知識技術の吸収が最も大きい比重を占めてきたことは当然であるといえよう。
 また,34年度,までの派遣者の派遣先は,米国,英国,カナダ,フランスをはじめとして,スエーデン,ドイツ等8カ国に及んでいる。これをみると米国への派遣が過半数を占め,英国を合わせると全体の90%になっている。その詳細を(第13-2表)に示す。


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