第1章 原子力のあゆみ
§2 34年度におけるおもな発展

2−8 科学者技術者の養成

 34年度に海外に派遣された原子力関係留学生の数は,国際原子力機関(IAEA)のフェローシップを含め77名にのぼり,員数としてはほぼ33年度と大差ない。他方,国内における原子力関係科学者技術者の養成については,日本原子力研究所における原子炉研修所およびアイソトープ研修所で着実にすすめられてきている。すなわち原子炉研修所については研修期間1カ年の高級課程が34年4月設けられ,第1回研修生15名が35年3月この課程を終了した。また研修期間6カ月の一般課程についても,35年3月開講され,同年8月第1回修了生16名を送り出している。なおアイソトープ研修所については,IAEAの協力を一部得て33年1月開所以来35年7月までに合計18回に及ぶ研修課程が行なわれ,その終了生は518名の多きにのぼり,このうち極東,東南アジア等海外諸国から受け入れた研修生は12名に達している。
 なお 34年度には放射線医学総合研究所に養成訓練部が設けられ,放射線防護短期課程の研修が開始された。その目的は放射線防護の業務に従事する者に対し,必要な基礎知識を与えるとともに実務上の技術を修得せしめることにある。講習期間は8週間で35年1月第1回を,同年6月第2回を開講し,すでに合計60名の養成訓練を終了している。


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