第5章 原子炉用材料の開発
§4ベリリウムおよび酸化ベリリウム

原子炉用材料,特に減速材および反射材として注目されているベリリウムおよび酸化ベリリウムの研究は32年度か ら開始され,この期間も続けられた。
 すなわち緑柱石から粗水酸化ベリリウムを抽出し,これを醋酸処理して塩基性醋酸ベリリウムを製造し,蒸留精製した後さらにこれを有機溶媒で抽出する。後これを分解することにより99.99%以上の酸化ベリリウムの製造に成功している。また金属ベリリウムは塩化ベリリウムの溶融塩電解により高純度のものを製造している。ベリリウムおよび酸化ベリリウムの加工については,その粒度分布の調整および真空ホットプレスによる焼結法につき研究を行ない,ベリリウムについては比重1.79,酸化ベリリウムについては比重2.99の成型品を製造することができた。またその機械的特性の試験も行ない原子炉材としての適格性について検討を加えている。


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