第3章 熱伝達回路の研究
§2ガス冷却方式

ガス冷却の方式において重要な問題は燃料要素のフィンの形状を最も効果的な伝熱,流動に適するよう選定するこ とである。このため日本原子力研究所において3次元流での伝熱,流動実験用風洞を完成し,各種形状の第2部研 究開発の現状フィンについて渦流機構,フィン効率等を研究中である。これらは34年度に設置される予定の高温高 圧ガス冷却ループの設計資料として重要な意味を持つものである。
 民間企業においても炭酸ガス冷却型原子炉の燃料棒を電気ヒーターで置き換えた模型原子炉内の熱伝達の研究を行なっている。この系の大様は次のとおりである。
 ガス圧力      15kg/cm2 abs
ガス温度      200°C
熱出力    20kW
熱流束   10kW/m2
流  量      1.8kg/sec
使用ガス      CO2
この仕様は実規模にはほど遠いが,炭酸ガス系の基礎研究としてその成果が期待されている。


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