第7章 放射能調査
§3国際連合科学委員会

核爆発実験による放射能汚染はわが国のみならず世界全般の問題である。
 このため,30年の国連総会において科学委員会を設置し,わが国を含む世界15ヵ国を委員国として〃人体とその環境に対する原子放射線の影響〃に関する研究調査を行なうこととした。その報告書は33年8月10日公にされた。報告書には現在の放射能レベルとその将来の推定値およびこれによりおこりうべき将来の人類障害の程度が記載されているが,この報告書作成にあたってはわが国の資料も数多く利用されており,特に欧米のいわゆるミルク・ドリンキング・ピープルに対して米を主食とする東洋のライス・イーティング・ピープルを対比記載することとなったのはわが国の調査結果による所が大きい。このことはこの問題に対して日本が重要な役割を果していることを示すものとして注目すべき事がらである。


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