第6章 核融合
§4B計画について

専門部会の答申に基づき,34年3月日本原子力研究所に核融合研究委員会を設置しB計画に適した実験装置の検討お よび設計が開始された。
 また専門部会の審議と並行して,日本学術会議においても核融合の研究方針を検討するため核融合特別委員会が設置され,活動を開始した。
 専門部会は34年4月から8月までB計画の実施について前記核融合特別委員会の意見を参照して論議したが結論は得られず,35年度におけるB計画実施の計画は見送られることとなった。しかしながら核融合研究委員会がまとめたB計画の案は国の内外で行なわれている研究装置を解析し,現状において,わが国で建設するのに最も適した装置をかなり詳細に検討したものであるから,将来中規模の研究装置が建設される場合の重要な資料となることが期待される。
 結局,33年度は国外においては大幅な秘密の解除,ジュネーブ会議等を通じて国際協力の気運が生じ,また国内においても専門部会,研究委員会,核融合特別委員会の設置およびそれらの活動により核融合の研究も第2の段階に入ったといえよう。


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