第3章 核燃料
§5海外からの核燃料物質の入手

濃縮ウランはもちろん当分の間,海外に依存せざるをえないが,天然ウランもまたその相当部分を海外に依存する こととなろう。これに対する対策をもその目的の一部として日米,日英両原子力一般協定が33年6月に調印され同 年12月発効して米国からは今後10ヵ年間に濃縮ウラン2,700kg(285U換算),日米原子力協定の改訂議定書によ って研究用の高濃縮ウランやプルトニウム等,計約40gを,また英国からは導入炉に必要な燃料を確保しうることと なった。また国産1号炉に装入する燃料の一部に供せられるカナダ産ウラン地金約3tonを国際原子力機関から比較 的廉価(35.5ドル/kg)で入手できた。これは,この面における国際原子力機関の活用の初めてのケースである。さ らに,ウラン製錬の原料たるイエローケーキの供給先を確保するため,カナダとの一般協定が34年7月2日に調印さ れた。これまで天然ウランや精鉱は若干量が米,仏,カナダ,ベルギー,南ア等から商業的ベースで輸入されており3 3年度内の輸入量はウラン精鉱約7ton,ウラン金属約3ton,その他であった。次にその内訳およびそれに対する外 貨割当実績を示す。
  (33年度核原料物質,核燃料物質外貨割当実績)
  イエローケーキ    7,307.5kg    158,173ドル
  ウラン化合物      474.7kg     23,119ドル
  ウラン金属      2,885.Okg    137,490ドル
  ウラン標準試料     2,475g       492ドル
                    計329,274ドル


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