第2章 原子炉
§1原子炉の設置および運転

33年度は,前年度に引き続き動力炉および動力試験炉の検討がきわめて活発に行なわれ,その結果,日本原子力発電株式会社は英国からコールダーホール改良型原子力発電所を,また,日本原子力研究所は米国から沸騰水型動力試験炉を導入する方針を決定した。
 また,研究用原子炉については,日本原子力研究所においてJRR-1が成功裡に運転を続けるとともに,JRR-2およびJRR-3の建設も着々進行した。そのほか教育用を主目的とする原子炉の設置計画が東海大学,立教学院等から提出され,あるいは国際見本市展示用原子炉の設置計画が米国原子力委員会から提出されるなど,民間においてもようやく研究用原子炉(第2-1表参照)設置の気運がきざしはじめた。
 また,新しい原子炉型の開発,原子炉核定数の測定などの目的で日本原子力研究所等において,いわゆる臨界実験装置の設置が考えられるようになったことも注目すべきことであろう。


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