第3章 民間および国立研究機関における研究
§4 再処理および廃棄物処理

 31年度までに各研究機関において実施されてきた廃棄物処理関係の研究は,一応終了し,32年度よりは日本原子力研究所がその成果をひきつぎ,重点的に研究を実施することになつた。
 しかしながら,研究の一部すなわち多膜式イオン交換膜による再処理および廃棄物処理の研究については,31年度にひきつづいて名古屋工業技術試験所において,廃棄物中の有用イオンの回収につき研究をおこなつている。
 すなわち陰イオン交換膜をつかつて電気滲透によつて硝酸イオンを移動分離し,同時に硝酸イオンの一部を還元によつてアンモニウムイオンに変化させ,アルミニウムを水酸化物として他の多価金属を共沈させ,溶液中に,セシウム,ストロンチウム等を残存させるものである。32年度においては連続隔膜電解における水酸化アルミニウムの沈澱に対する硫酸イオンの挙動について検討をくわえた。


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