第2章 国際協力
§2 国際原子力機関の発足と活動

2−1 第1回総会まで

 国際原子力機関憲章案は国連および国連専門機関加盟の82カ国が参加した国際会議において,31年10月23日採択され,同26日署名のため開放された。
 この憲章は原子力の先進5カ国(米,英,加,仏およびソ連)のうち少なくとも3カ国をふくむ18カ国が米国政府に批准を寄託すれば効力を生ずることになつており,この条件が32年7月29日みたされたので同日機関憲章は発効し,同憲章第1条により機関は発足した。
 これより先にもうけられていた準備委員会は31年10月におこなわれる第1回総会のためにその計画,予算,および機関事務局の機構などについて31年末から32年9月にかけてたびたび会合を開き審議をおこなつた。わが国も準備委員会のメンバーとして選出されたのでこの間,
 などを中心として種々意見をのべ討議に参加したが,わが国の主張も機関の計画に反映されている。
 準備委員会はその重要な仕事の一つとして機関の初期の事業計画案を作成したが,その中には次のような事業がふくまれている。
 これらの事業をおこなうため33年度における機関事務局の人員およびその機構の案も作成され機関の33年度の予算は通常予算として約400万ドルと特別資金25万ドル(加盟国の任意寄付金でまかなう。使途は奨学金。)の案がたてられた。


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