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刊行によせて

原子力委員会委員長 岡 芳明

 我が国における原子力の研究、開発及び利用は、原子力基本法に則り、これを平和の目的に限り、安全の確保を旨とし、民主的な運営の下に自主的に行い、成果を公開し、進んで国際協力に資するという方針の下、将来におけるエネルギー資源を確保し、学術の進歩と産業の振興とを図り、もって人類社会の福祉と国民生活の水準向上に寄与するべく行われています。

 平成23年の東京電力株式会社福島第一原子力発電所の事故(以下「東電福島第一原発事故」という。)は、福島県民をはじめ多くの国民に多大な被害を及ぼし、これにより我が国のみならず国際的にも原子力への不信・不安が著しく高まり原子力政策に大きな変動をもたらしました。

 事故への対応と、原子力安全に関する体制の見直しがなされ、福島の復興・再生、東電福島第一原発の廃炉への取組が各方面において行われています。原子力の研究開発と利用等に関しても、事故の反省と教訓を踏まえ様々な取組が行われています。原子力委員会の見直しもなされています。

 今回の原子力白書は、これらの活動を中心に、前回の白書が作られた2010年3月以降、2016年12月頃までの活動を広く国民の皆様にご紹介するものです。その特徴は、第1章として東電福島第一原発事故への対応と復興・再生の取組を述べたこと、囲みをつけた記事で、トピックスや注目点を記載したことなどです。

 原子力利用のためには、政府と民間、原子力関係組織がそれぞれの役割と責任を踏まえつつ、国民の利益と負担の観点で、その責務を果たし、業務にあたることが必要です。

 過去を記録し、それから学ぶことは、よりよい将来のために必須です。2017年7月に政府として尊重する旨を閣議決定いただいた「原子力利用に関する基本的考え方」とともに、原子力白書が原子力政策の透明性を向上し、原子力利用の課題の解決に役立つことを期待します。


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